版画で見る高札場
「東京府日本橋御高札場賑」 国周筆


 日本橋高札場をバックに見得を切る「三人侠客」の図です。日本橋詰めにあった立派な屋根の高札場の方に三枚の「定」が建ち、別棟に「覚」一枚が建つと云う構図で、いずれも「明治元年十月」となっています。おおかたの高札は「慶応四年三月」ですが、この版画ではちょっと違います。なおこの年九月には明治改元となり、十月には江戸を東京と改称しました。改印では「明治八年亥八月」と読めますが、改印制度もこの年九月で取り止めになります。版元は「吉見屋園吉」と思われます。
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 国周(1835〜1900)は本名大島八十八と云い、押絵師の豊原周信に学び、後に三代豊国に入門、役者絵師と言われるほど役者絵に多くの作品を残しました。特に役者大首絵で名を上げ、さらに三枚続きに役者一人半身と云う新しい構図を創案して人気を博しました。



 
           
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
           

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